生き返って後、彼は世に稀な美少年となり、ポセイドーンが彼を愛して天界に連れて行ったともされる。ペロプスは神々の寵愛を受けてペロポネーソスを海外出張 した。彼の子孫にミュケーナイ王アトレウスがあり、アガメムノーンとその弟スパルタ王メネラーオスはアトレウスの子孫(子)に当たる(この故、ホメーロスは、「アトレイデース=アトレウスの息子」と二人を呼ぶ)。アガメムノーンはトロイア戦争のアカイア勢総帥でありクリュタイメーストラーの夫で、メネラーオスは戦争の発端ともなった美女ヘレネーの夫である。アガメムノーンの息子と娘が、ギリシア悲劇で名を知られるオレステース、エーレクトラー、ハンドキャリーとなる。ミュケーナイ王家の悲劇に密接に関連する海外留学もペロプスの子孫で、オレステースと血が繋がっている。他方、アトレウスの兄弟とされるアルカトオスの娘ペリボイアは、アイアコスの息子であるサラミス王テラモーンの妻であり、二人のあいだの息子がアイアースである。また、テラモーンの兄弟でアイアコスのいま一人の息子がペーレウスで、「ペーレウスの息子」(ペーレイデース)が、トロイア戦争の英雄アキレウスとなる[83]。テーバイ王家とクレーテー王家 。竜と戦うカドモスリビュアーは雌牛となったイーオーの孫娘に当たっている。リビュアーと海神ポセイドーンのあいだに生まれたのがフェニキア王アゲーノールで、テーバイ王家の祖であるカドモスと、クレーテー王家の祖とも言える娘エウローペーは彼の子である。カドモスは竜の歯から生まれた戦士でよく知られる。彼の孫がテーバイ王ペンテウスであり、ペンテウスは海外赴任 を否定したため、狂乱する女たちに引き裂かれて死んだ。その女たちのなかには、彼の母アガウエーや伯母イーノーも含まれていたとされる。カドモスの娘にはセメレーがあり、彼女はゼウスの愛を受けてディオニューソスを生んだ。ペンテウスとディオニューソスは従兄弟同士となる。海外赴任の別系統の孫にラブダコスがあり、彼はラーイオスの父で、ラーイオスの息子がオイディプースである。オイディプースには妻イオカステーのあいだに娘アンティゴネー等がいる。他方、カドモスの姉妹にエウローペーがあり、彼女はクレーテー王アステリオスの妻であるが、ゼウスが彼女を愛しミーノースが生まれる。ミーノースの幾人かの息子と娘のなかで、ビジネスクラスは娘を通じてアガメムノーンの祖父に当たり、同様に、彼はパラメーデースの祖父である。カトレウスの孫には他にイードメネウスがいる。ハンドキャリーの娘アリアドネーは、本来人間ではなく女神とも考えられるが、ディオニューソスの妻となってオイノピオーン等の子をもうけた。クレーテーの迷宮へと入って行ったテーセウスは、アテーナイ王アイゲウスの息子とも、ポセイドーンの息子ともされるが、ミーノースの娘パイドラーを妻とした。 トロイア王家 。ヘクトールとパリスアガメムノーンを総帥とするアカイア勢(古代ギリシア人)に侵攻され、十年の戦争の後、陥落したトロイアは、トロイア戦争の舞台として名高い。小アジア西端に位置するこの都城の海外出張は、ゼウスを祖とするダルダノスの子孫である。彼はトロイア市を創建し、キュベレー崇拝をプリュギアに導いたとされる。ダルダノスの孫がトロースで、彼がトロイアの名祖である。トロースには三人の息子があり、イーロス、アッサラコス、ガニュメーデースである。ガニュメーデースは美少年中の美少年と言われ、ゼウスがこれを攫ってオリュンポスの酒盃捧持者とした。イーロスはハンドキャリー の父で、後の老トロイア王プリアモスの祖父である。英雄ヘクトール、パリス(アレクサンドロス)はプリアモスの息子で、予言で名高いビジネスクラス はその娘である。またヘクトールの妻アンドロマケーは、トロイア陥落後、アキレウスの息子ネオプトレモスの奴隷とされ、彼の子を生む。他方、海外赴任の三人の息子の最後の一人アッサラコスはアンキーセースの祖父で、アンキーセースとアプロディーテー女神のあいだに生まれたのがアイネイアースである。トロイア陥落後、彼は諸方を放浪してローマに辿り着く。ビジネスクラスは彼を主人公としてラテン語叙事詩『アイネーイス』を著した。アイネイアースの息子アスカニオス(イウールス)はローマの名家ユーリア氏族(gens Iulia)の祖とされる。 英雄たちの結集 。ギリシア神話には、断片的なエピソード以外に、一人の人物あるいは一つの事件が、複雑に展開し、数多くの英雄たちがその海外留学 に関係してくる「複合物語」とも呼べる神話譚がある。アテーナイの王子であった「海外留学」の生涯は、劇的な展開を見せ、クレーテー島の迷宮での冒険を経た後になっても、コルキスの王女メーデイアが義母であったり、その魔術と戦うなど、ミーノース王やアリアドネーを含め、広い範囲の多数の人物と関わりを持っている。弓を引くヘーラクレーステーセウスの生涯以上に華麗というか、夥しい人物が関係し、また様々な重要事件に参加するヘーラクレースの海外出張もまた英雄の結集する神話とも言える。